CBDビジネス

【2021年保存版】アメリカ大麻(CBD)ビジネス最前線

0. はじめに

OFF株式会社・代表取締役のヨーダです。

今回は、CBDアドベントカレンダーに参加させていただくことになったので、久々に筆を執ってみました。

テーマは、現在(2021/3時点)、コロナ禍ではありますが、アメリカに滞在していることもあり、北米を中心にした大麻ビジネス事情についてです。

北米は、カナダは国全体で、医療用も嗜好用も大麻が合法化されていますし、アメリカは連邦としては未だ大麻の規制環境は厳しいですが、州単位では大麻合法化が実現していますし、その数も毎年増えています。

なぜ、今ぼく自身がアメリカにいて、今回北米の大麻ビジネスシーンを取り上げるかというと、われわれ日本よりも何年も先を行く北米を観察、分析することで、日本のCBDビジネス、さらに大麻ビジネスがどのように変遷していくか予想できるからです。

このような経営手法を「タイムマシン経営」といったりしますが、北米に来ると、本当にタイムマシンに乗って、未来に来たかのように感じます。

1. マクロ環境

こちらのデータは2019年時点のアメリカの大麻の市場規模予測のグラフです。

2023年までにCAGR約30%で、3兆円規模まで成長すると予測されています。

最近、Forbesの記事でも2020年の大麻市場規模に関して最新の記事が出ましたが、その記事によると、2020年のアメリカの合法大麻市場規模は、約1.9兆円だったようです。

ほぼ、この予測通りに市場が成長していることがみてとれます。

カリフォルニア州で約3,500億円、コロラド州で約2,200億円、オレゴン州では約1,100億円の規模です。

アメリカでは、大麻を購入する際、ディスペンサリーストアという大麻専門店で、商品を購入します。

このようなストアで販売されている商品は安全性が高いものの、州などから重い税金を課されているため、どうしても小売価格が高くなりがちです。

それに対して、然るべきライセンスを取得せずに、違法でストアを運営している業者も存在します。

このようなストアは、違法ではありますが、かなり安価に大麻を購入できるため、大麻愛好家に重宝されています。このような違法大麻の市場規模は、なんと10兆円とまで言われています。

2026年には、合法大麻市場が約4兆円まで成長すると言われていることからも、人口比ではなく、GDP比で日本の市場規模予測をすると約1兆円台まで到達することが予想できます。

アルコールの国内市場規模が約3.5兆円、電子タバコの国内市場規模が約3兆円とも言われていることからも、アルコールやタバコに匹敵するだけのビジネスポテンシャルがある、ということが分かります。

2. 大麻ビジネスの産業構造

既にとてつもない規模の産業がアメリカでは成立しています。
日本国内においては、この大きな産業のほんの一端しか成立していません。

上図では、生産国アメリカから日本のような消費国での販売までのビジネスの一連のプロセスを表しています。

栽培には、昨今バイオサイエンス系のスタートアップによって取り組まれる品種改良も含みます。もともとTHCが多く含有する品種が多かったのですが、昨今のCBDトレンドもあり、CBDが多く含まれる品種の開発が行われていたりします。

また、加工①は収穫した大麻から必要なカンナビノイド原料を抽出する工程のことを指しています。そして、加工②では、加工①で抽出したカンナビノイドを用いて最終製品を作る工程のことを指します。

抽出した原料を生産国内で最終製品まで加工するケースもありますが、今回は日本において一般的なプロセスを図示しました。

日本国内で現在成立している主要バリューチェーン上の大麻ビジネスは、輸入卸、食品や化粧品などの最終製品の製造、製品の小売です。

扱える原料もTHCを除くカンナビノイドのため、大麻ビジネス最前線の北米に比べると極めて限定的にしかビジネスを行えないことが分かります。

3. 主要バリューチェーンの企業事例

3-1. 栽培関連企業

2020/10時点で最大の農場を保有していたのは医療用大麻関連の企業、Ultra Healthです。
ニューメキシコ州に農場を持ち、その広さは、84万平米と、東京ドーム16個分規模の巨大サイズ。

3-2. 品種開発関連企業

大麻ビジネスの本当の最上流に位置すると言っても過言ではないビジネスは品種改良です。
遺伝子工学などのバイオサイエンスを駆使し、ニーズの高いカンナビノイドを多く含む品種を日々開発しています。
MARIANALABSはイスラエルに拠点を置いています。ビジネスモデルは独自品種をパテント化し、それを大手生産者にライセンスアウトするモデルです。

3-3. 抽出関連企業

PUREEXTRACTはカナダに拠点を置く会社で、アメリカのOTCに上場しています。

大手大麻関連企業のTilrayに企業の売却経験のあるCEOがはじめた新しい大麻関連企業です。

CO2抽出によるカンナビノイドの抽出を行いつつ、カンナビノイドの配合バランスを調整するフォーミュレーションにも力を入れている会社です。

3-4. 小売関連企業

主にアメリカの西海岸に店舗を構えるMedMen
コロナが収束し、海外渡航が日常化したあかつきには、是非行ってもらいたいディスペンサリー、MedMen。
OTCに上場しており、決算も開示されています。直近の四半期売上は、約35億円。
AppleStoreのように、大麻関連製品がきれいに陳列されています。
バッテンダーと言われる接客スタッフのクオリティも高く、スムーズに自分に必要な製品を選べます。

4. 大麻ビジネスに流れ込むリスクマネー

4-1. 高額な税金

Controlled Substances Actでは大麻は依然薬物として分類されています。そのため、タックスコード280Eが適用され、大麻関連事業者は粗利(売上総利益)に対して課税されます。

また、実効税率が通常の法人であれば、30%のところが大麻関連事業者ですと70%と非常に大きな税金が課されるのです。

4-2. 高額なライセンス料

税金だけではありません。大麻関連事業者は大麻合法化州のルールに則り、ライセンス料を支払う必要があります。

ライセンス料は、大麻関連事業者の分類により異なります。イベンター、分析ラボ、流通事業者などと自分がどの分類に当てはまるかを確認し、ライセンス料を支払います。

このライセンス料は年に1回支払い、その費用は事業者の粗利額によって変化します。粗利の約3%がライセンス料として税金とは別に徴収されるのです。

また、ライセンス料とは別に事業開始時にはライセンス申請料も支払う必要があります。

事業をはじめるに当たって、なにかと費用(投資)が必要なのが大麻ビジネスなのです。

とはいえ、大麻関連の市場規模は莫大です。資金面での参入障壁は非常に高いですが、その壁を乗り越えると、長期的に見て大きな実を結ぶことは予想できます。

そのため、VC(ベンチャーキャピタル)やPE(プライベートエクイティ)がこの業界に多くの資金を投入しています。

19/Q3までのデータですが、直近のクオーター(3ヶ月)だけで約50のディールが実施され、1,000億円規模の投資が実行されていることが分かります。

VCにしろ、PEにしろ、リスクマネーの供給側は、投資リターンを求めるものです。

彼らにとってのリターンとは、投資先がExitすることです。つまりは、IPOなり、M&Aが実現することなのですが、Exitも増えているのが現状です。

直近の大きめのExit事例ですと、プレミアムCBDブランドのLord Jonesが約300億円でカナダ大手大麻関連企業のCronos Groupに2019年M&Aされています。

以下にLord Jones以外のM&A事例をまとめましたので、参考にご覧ください。

5. 大麻スタートアップの台頭

前段では、リスクマネーがどんどん大麻市場に流れているという話をしました。

その資金は、前述のメインバリューチェーン以外にも注がれています。

一例を紹介します。

ここに上げた大麻関連スタートアップは、メインバリューチェーンの周辺領域で存在感を放つ企業です。

大麻版AmazonのMeadow、大麻版Uber Eatsのeaze、大麻版FedExのNABISなどなど、大麻版◯◯なスタートアップが数多くアメリカには存在します。
Meadowは、アメリカの著名アクセラレータのYコンビネーターにも支援を受けるほどの著名企業です。

なぜ、大麻版◯◯のような企業が存在するのか。それは大麻関連の規制が連邦と州で捻れていることに起因します。

大手IT企業のAmazonではいまだに大麻製品を取り扱うことができません。それは連邦法により規制されているためです。

ここに紹介したスタートアップは規制をむしろチャンスにして、躍進しているのです。
似たような構図は、国内においても同じでしょう。リスク意識の高い大手は中々CBDに手を出しづらいのが現状です。

6. 期待される規制緩和

前段までで、既にアメリカでは巨大市場を形成していることがお分かり頂けたかと思います。
ただ、まだまだ大麻市場のアップサイドポテンシャルは大きいと予測しています。

理由は、以下の大きな3つの規制緩和が予測されるからです。

その規制緩和とは、「SAFE BANKING ACT」「STATES ACT」「MORE ACT」です。

6-1. MORE ACT

この法律が変わることで期待できることは、大麻関連での前科者の人権回復です。

大麻関連で前科があっても、それが抹消されることになり、世間的な大麻のイメージの改善に寄与すると考えられます。

6-2. STATES ACT

Strengthening the Tenth Amendment Through Entrusting States、通称、STATES ACTの改正は、280Eに関連するため、非常に重要な規制緩和です。

現在、アメリカでは連邦法(合衆国レベル)と州法が大麻に関して見解が捻れている状態です。

そのため、280Eで苦しむ大麻関連事業者が発生しているのですが、STATES ACTにより、280Eを免除される可能性があります。

6-3. SAFE BANKING ACT

アメリカで大麻ビジネスを行おうと思った時に現金は非常に重要です。

なぜなら、ディスペンサリーで大麻製品を購入する際にクレジットカードやデビットカードが利用できないように、現金でしか取引ができないですし、さきほども述べたたように、大麻ビジネスをはじめるには多額のライセンスフィーが必要です。

そして、大麻関連事業者には重税を課されているのです。

そのため、非常に多額の現金が必要なのが、現在のアメリカの大麻ビジネスの現状です。

それにも関わらず、連邦法で大麻ビジネスが違法なために、事業者は銀行融資に頼ることができません。

SAFE BANKING ACTによって、これまで大麻ビジネスに参入ができなかった資本を持たない企業が金融サービスを受けることで、新興の大麻関連事業者の誕生が期待できます。

そのため、より市場の競争が激しくなり、安価で高品質な大麻関連製品が生まれることが期待できます。

7. おわりに

以上、いかがでしたでしょうか?

これから大麻ビジネス立ち上げるぞ!という方や上場している大麻関連企業への投資を考えている方へのアイディアの種になるような記事になっていれば幸いです。

国内大麻市場(CBD)のサイズは、2020年時点(1〜12月)で、100億円以上と予測されています。

法規制の変化は読めませんが、長期的にみると必ず嗜好用大麻までもが解禁され、日本国内だけでも数兆円産業になると予測しています。

人生フルベットでこの市場を開拓できればと思っていますので、応援のほど、よろしくお願いします!

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また、以下記事もCBDビジネス系記事として、かなり読まれているので、是非お読みください。
今回の記事よりもよりCBDについて掘り下げています。

ではでは~👋🏻

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Yoda Inoue
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CBDヨーダです。