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【徹底解説✍️】CBDってどうやって作られてるの?CBDの製造方法

どのように麻がCBDに精製されて製品となるか、について今回は解説していきます。

今回の内容が理解できるようになれば、CBDなどのカンナビノイドがどのように大麻草から分離されて製品化されるのかを知ることができます。同時に、どのような手法で精製されていれば品質が高くなるのか、もしくはコストが抑えられているのか、などということも分かるようになってくるかと思います。

また、異なる抽出法(精製法)に基づくCBDの分類(アイソレート、ブロードスペクトラム、フルスペクトラム)について理解を深めたい方にもおすすめの内容です。

1. 麻由来CBDの一般的な製造工程(精製過程)

簡易なCBDの精製手順は以下の通りです。

※メーカーによって手順が異なる場合もあります。

[粉砕した大麻草由来の原料]

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1. 化学的な抽出 

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2. 余分な脂肪分やワックス等の除去(Winterisation)

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3. 蒸留 ※加熱による脱炭酸は蒸留前に行う

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[CBDブロードスペクトラム]
※フルスペクトラムは抽出や簡易な蒸留のみ

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4. 再結晶(冷却による結晶化)

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[CBDアイソレート]


それでは、それぞれの工程について詳しく見ていきましょう。

2. 化学的な抽出(3つの抽出方法)

化学的な抽出とは、原料を適切な溶剤に浸し、原料に含まれる成分を溶出させる方法です。

分かりやすい化学的抽出の例は、汚れた雑巾を水につけておくと雑巾に付着した汚れが水に移って水が濁るという現象です。この例では、雑巾が麻から得られた原料、水が溶剤、汚れがカンナビノイド(CBD)に相当します。つまり、濁った水がカンナビノイドを含む抽出液にあたります。

つまり、エタノールなどの溶剤(洗浄液)を用いて麻原料からカンナビノイドを引きはがして(=抽出して)、カンナビノイドの溶液を得る工程になります。

化学的な抽出方法は溶剤の種類によって次の3つの方法が有名です。

  1. エタノール抽出
  2. ブタン・プロパンによる抽出
  3. 超臨界CO2抽出

どれも一長一短があります。メーカーによって、蓄積されたノウハウや、かけられるコスト、適用される法律などが異なるため、利用に適した抽出方法は異なってくるでしょう。

抽出法の比較を以下の表にまとめました。

では、それぞれの抽出方法について詳しく見ていきましょう。

2-1. エタノール抽出

アルコールは抽出能力の高い溶剤で、多くの有効成分を抽出できます。エタノールによる抽出は効率が良く、後述の炭化水素化合物による抽出よりも安全なため人気の方法です。

ただし、苦みのある化合物まで抽出され、微量のエタノールも残存しやすいという欠点もあります。しかし、CBDアイソレートにする場合は、蒸留などの工程を経て、最後に再結晶で高純度に精製するので、エタノール抽出で問題はないかもしれません。また、エタノール抽出は、圧力をかけなくても抽出できますし、非常にハンドリングのしやすい溶剤です。

2-2. ブタン・プロパンによる抽出

(写真引用:https://precisionextraction.com/2020/02/the-key-benefits-of-closed-loop-extraction/

ブタンやプロパンは低沸点の炭化水素化合物(=軽い油)に分類されます。ブタンなどは比較的安価で、エタノールの時のように好ましくない水溶性化合物を抽出しないという利点があります。テルペンなどの化合物を多く取り込めるという長所もあります。したがって非常に好ましい仕上がりになると言われています。

しかし、ブタンなどは人体に有害なため、取り扱いには注意が必要です。また、ブタン・プロパンなどは可燃性があり、火災の原因になりやすい物質です。さらに、抽出に用いる際には一定の圧力をかけることになります。したがって慎重な管理が必要なため、スケールアップにはハードルがあるかもしれません。

なお、抽出後に蒸留する場合、ブタンやプロパンが最終製品に残存するということはほぼあり得ないでしょう。そもそも除去が容易ですし、仮に残存していたとしても、抽出後の脱炭酸や蒸留などの過程でカンナビノイドから完全に分離されるだろうからです。CBDアイソレートの場合、むしろ再結晶に使用する溶剤であるペンタンやヘキサンの方が残存に注意が必要です。

2-3. 超臨界CO2抽出

CO2(二酸化炭素)は人体に無害であり、炭酸飲料にも使用されています。さらに、簡単に除去できて残留することがありません。超臨界CO2抽出ではCO2の圧力と温度を変えることでCO2への溶解度が化合物ごとに変化するため抽出物における化合物の量を調節できます。技術力があり、比較的規模の大きい製造会社が好んで用いています。

超臨界二酸化炭素抽出は、利用している溶剤の化学物質はCO2ですので、非常にクリーンで、人体に悪影響を及ぼさないのですが、製造工程で欠点もあります。問題は、超臨界流体のCO2ではカンナビスの樹脂などを抽出するのに、非常に高い圧力が必要だと予想できることです。さらに抽出を繰り返す手間もかかっているかもしれません。

圧力については、炭化水素であるブタンやプロパンによる抽出の時に必要な圧力に比べて10〜100倍の圧力は必要でしょう。これは、超臨界流体にするためには非常に高い圧力が必要だからです。これだと、効率は良くないでしょうし、かなりのコストがかかりそうです。

超臨界二酸化炭素抽出を実施して原料からCBDオイルを製造している過程は以下の動画が参考になります。この動画では、「麻の生育→収穫→すりつぶし→超臨界CO2抽出→エタノールを用いて余分なワックスを除去(Winterisation)→エタノールの除去→HPLCによる分析」までの工程を簡単に解説しています。

3. 脂肪分やワックスの除去(Winterisation)

余分な脂肪分やワックス等の除去(Winterisation)とは、抽出によって得られたオイルにエタノールもしくは特殊な試薬を混合して分離処理(ex冷却・静置)することでオイル中の余分な脂肪分やワックス、クロロフィルを溶出・分離させ、フィルターを通す(=濾過する)ことによって、分離した脂肪分やワックス等を除去する工程です。

(引用:https://precisionextraction.com/2020/06/what-is-the-winterization-process-in-cannabis-extraction/

この工程は、この後の蒸留で純度の高いCBDを回収するために重要な過程になります。余分な脂肪分やワックスが混ざった状態で蒸留を行うと、不純物が十分に除去できなくなってしまうだけでなく、加熱する過程でカンナビノイドの損失が起こりうるからです。

なお、この前の抽出工程においてエタノール抽出を低温で実施していた場合、余分な脂肪分やワックスが原料からほとんど抽出されないため、この工程はほとんど必要なくなると考えられます。

4. 蒸留

蒸留とは、物質の沸点の違いを利用して混合物を分離する方法です。

例えば、水とエタノールの混合物を蒸留して純度の高いエタノールを獲得したい場合、この混合物を加熱していくと沸点の低いエタノールから蒸発していくので、その気体を冷却して留分を回収すれば、より純度の高いエタノールが得られます。

蒸留によって得られる成分をCBDオイルとして製品化する場合は、この工程が最終工程になると言えます。ただし、加熱処理の過程で、テルペンのような香り成分が多く失われてしまった場合、用途に応じて後からテルペンを添加する必要があります。

4-1. 脱炭酸(蒸留前処理)

蒸留では、得られたカンナビス抽出物を加熱します。そのため、蒸留前にあらかじめ抽出物を加熱してCBDAを脱炭酸し、CBDの純度を高めておくことが多いでしょう。脱炭酸とは以下のように加熱によりCBDAがCBDに変換される化学反応のことです。

ざっくりいうと、CBDAのCO2部分がはずれた構造がCBDに相当します。ですので、この反応ではCBDA由来の二酸化炭素が発生します。工程では、蒸留前にあらかじめCBDAを脱炭酸してCBDの純度を高めておくということです。

4-2. 減圧蒸留

蒸留には基本的に減圧蒸留という手法が用いられます。理由は大きく分けて二つあります。

一つ目の理由は、酸化による成分の分解や変形を起こさないようにするためです。

酸素が存在する空気下で加熱すると成分の酸化が促進されてしまいます。減圧蒸留ではポンプで空気を吸い込み、真空に近い状態にするため、酸素をほぼ除去できます。そのため、ほぼ無酸素で加熱して蒸留できるため、酸化による成分の損失を防ぐことができます。

もう一つの理由は、純粋なカンナビノイドの沸点は高いからです。

CBDは常温で白色の固体です。つまりカンナビノイドの沸点が高いことは直感的にも理解できます。減圧せずに加熱してもCBDを十分に気化して回収することはできません。だからといって加熱しすぎると燃焼・損失の危険性があります。減圧しながらであれば、それほど高温に加熱しなくても回収できるようになります。これは気圧が下がると物質の沸点が低下することを利用しています。

簡易な減圧蒸留は以下の動画が参考になります。この動画では、短時間で減圧蒸留してCBDオイルを得る工程を解説しています。短時間での簡易な蒸留のため、純度は低いのですが蒸留工程をイメージするのに役立ちます。

4-3. 精密蒸留

蒸留のなかでも、より精密に成分を分離できる精留(精密蒸留)という手法があります。原理としては単蒸留(一回の蒸留)を何度も繰り返して純度を高くしていると考えればよいでしょう。これを一度の加熱だけで行えるようにしたのが精留装置です。詳細は割愛しますが、より純度の高いCBDを回収するのに有効だと言えるでしょう。

目標とするCBDオイルの純度などによって蒸留の精密度を変えればよいでしょう。あえて他の成分をできるだけ自然な形で残したい場合は厳密な精留は必要ないと考えられます。

THCの厳密な除去は、ここでの蒸留過程で精留(分別蒸留)を行うことにより可能となるかもしれませんが、使用する原料をTHCがほとんど含まれない品種の麻にしておくことや蒸留前の過程でTHCを除去しやすい抽出方法や処理方法を利用することが重要になってくると言えるでしょう。

5. 再結晶

再結晶とは、物質の溶剤に対する溶解度(溶けやすさ)の差を利用して精製する方法です。

すなわち再結晶では、不純物がよく溶けて、目的の物質が高温で溶けやすく低温(室温)で溶けにくい溶剤に試料を溶かします。この場合、加熱して高温にすると試料が完全に溶けて溶液になりますが、冷却していくと目的の物質のみを沈殿・析出させることができます。なぜなら不純物は溶剤に溶けやすいため液中に残ってくれるからです。析出した目的物は濾過すれば回収することができます。これにより純度の高い目的物が得られます。ただし、再結晶を成功させるには不純物の少ない比較的に純度の高い試料が必要です。

CBDアイソレートは、一般的には、蒸留して得た試料にペンタンやヘキサンのような溶剤を加えて溶かし、その溶液を冷却することで結晶を析出させ、それを濾過および洗浄、乾燥することによって回収していると考えられます。

ただし、乾燥不足による溶剤の残留には注意が必要です。ペンタンやヘキサンは神経毒性があり、厳密な除去が必要です。ヘキサンはペンタンよりも残存しやすく危険なのでペンタンを使用している方が品質が高いと言えるでしょう。

6. まとめ

CBDアイソレートの製造方法における精製課程は、このように抽出物を蒸留してから再結晶するのが通常の方法だと考えられます。

つまり、カンナビスの抽出物を蒸留で高純度にしてから、ペンタンなどの溶剤で再結晶するという方法です。

CBDオイルを製造する場合には、予算と技術があるなら超臨界二酸化炭素抽出やブタン・プロパン抽出を選択したほうが高い品質が期待できるでしょう。ただし再結晶によりCBDアイソレートを得る場合には、エタノール抽出でも問題ないかもしれません。また、エタノール抽出は一般的に最も実施しやすい方法でもあります。

ブロードスペクトラムなどは蒸留後に得られる留分(オイル)に相当すると言えるでしょう。なお、蒸留のなかでも精留という精密な精製方法を使えば高純度のCBDが得られます。

CBD製品の品質については、高度な分析機器でこまめに成分分析を行っているメーカーほど信頼性が高いと言えます。例えば、抽出後と蒸留後、再結晶後のそれぞれの段階で得られる試料・サンプルについて、GCやHPLC、MSなどを利用した分析機器から得られる分析データがしっかりと残ってあるか、ということが重要なチェックポイントになると考えられます。

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LUNA
tokyo mooon編集長。青山や代官山によく足を運びます。