CBD基礎情報

【CBD原料解説】合成CBD(大麻草由来との比較)

合成CBDは、大麻草に含まれている同物質と全く同じ構造の化学物質であり、法律で規制されていないため非常に注目されています。

今回は、このような合成CBDについて解説しつつ、大麻草由来の天然CBDと比較していきたいと思います。

1. 合成CBDはリスクがない

合成CBDの特徴としては、大麻取締法(※2021年時点)の法律による規制を受けないということ以外に、大麻由来のCBDと比較して規制物質であるTHCが検出される心配がほとんどないということがあります。

そもそも大麻取締法は近年、CBDを取り扱う人にとっては死活問題となっています。

なぜなら、2020年4月以降、厚生局麻薬取締部が、CBD製品の輸入において提出が必要な書類をもとに「大麻に該当しない」と回答した場合であっても、国内検査で後からTHCが検出された場合は「大麻に該当する」ものを輸入したとして処罰の対象にする可能性があるとしているからです。

また、大麻草の茎や種子以外の葉、花穂、枝、根などから抽出・製造されたCBD製品も「大麻に該当する」としています。そのため、天然由来のCBD製品は後々に処罰の対象となるリスクがあるのです。

一方で、合成されたCBDの場合は、その後の処罰のリスクはありません。輸入の際には、CBDが合成により得られたことを示す文書とCBD製品の成分分析書を提出するだけでよいのです。

2. 「合成」という言葉の誤解

合成CBDと聞いて、過度に悪いイメージを持たれる方がいますが、実はここには少し誤解があります。

合成CBDと聞くと悪い印象を持ってしまう理由のひとつに、合成カンナビノイドが闇市場に出回り、問題が発生したことが挙げられます。

闇市場などで流通したことのある合成カンナビノイドのほとんどは、大麻草内に存在する天然のカンナビノイドとは構造が異なり、ヒトに強く作用するようにつくられています。

しかし、昨今、話題となっている一般的な合成CBDとは、大麻草内に存在する天然のCBDと全く同じ構造の天然型CBDに該当します。ですので、闇市場などで流通したことのある合成カンナビノイドなどとは全く異なります。

3. 【比較】合成CBDと天然CBDのメリット・デメリット

とはいえ、特定のカンナビノイドオイルを得る方法の中でも栽培した大麻草からの抽出は化学合成よりも環境にやさしい方法です。

また、医学的にも重要視されている「フルスペクトラム」の効果を発揮するのは大麻草に含まれるさまざまなカンナビノイドの相乗効果(=アントラージュ効果)であると言えます。

以下に合成CBDと天然CBDのメリットとデメリットを表にまとめました。

既に欧米諸国では、CBDは一般に大麻抽出物からの精製によって得る方法が主流となっています。また、現時点で化学合成法によるCBDの製造には、大麻草からの抽出に比べて数倍のコストがかかると言われています。

一方で、大麻植物由来のCBDに含まれる可能性のある汚染物質(重金属、農薬)は広く議論されています。植物由来のCBDは、環境が悪いと、このような汚染物質の問題が避けて通れません。

さらに、安定した精製法の確立と一貫した品質管理の実現を目指すとなると、化学合成に利点があります。たとえば、医薬品製造の場合には特に安定供給と生産規模が重要になります。大麻抽出物の化学組成は品種や収穫条件などにより変化するため、このことは安定的に医薬品グレードに適合する品質の実現を実質的に困難にしています。

また、合成戦略は、全く新しいCBD類縁体(構造は似ているがCBDとは別のモノ)や新規カンナビノイドの開発につながりますが、その医学的特性・治療効果は天然のものでは達成できないでしょう。特に、大麻草からの抽出・精製が経済的に実用的ではないような希少なカンナビノイドの生産においては合成戦略の利用が期待されています。

4. 化学合成CBDと生合成CBD

合成CBDには大きく分けて二種類あると言われています。化学合成を利用した方法と生物学的技術を利用した方法です。ここでは、前者を「化学合成CBD」、後者を「生合成CBD」と呼ぶことにします。

結論から言うと、この二種類の方法のうち、現時点では化学合成CBDを得るプロセスの方が現実的に利用でしやすいでしょう。

たしかに生合成CBDには非常に大きな期待が寄せられており、化学合成よりも印象が良いかもしれません。実際、最近になって、カンナビノイドを生成する酵母菌の代謝プロセスが設計されました(Nature 2019567, 123–126.)。

しかも大麻草の中でカンナビノイドの生成に関与する酵素の遺伝子を実験室内で合成したものが、酵母菌に加えられています。つまり大麻草に一切触れることなくカンナビノイドを合成することができるということです。そのため、法的に規制されていないプロセスとして注目されています。

では、なぜ化学合成CBDに及ばないと言われることがあるのでしょうか。

実は、生物学的に製造する利便性は、化学合成を利用して純度の高い目的物を大規模に製造する長年の実績に敵わないことが多々あるというのが現状です。実際、生物学的に製造する生合成は、化学合成より面倒な精製が求められることも多いようです。

つまり化学合成は、実績のある精製方法を利用できるため、純粋なカンナビノイドを製造して得る方法を確立しやすいと言えるでしょう。CBD合成における製造現場に適した精製方法などは、過去の文献で多くのリソースを特定できます。

ただし、CBDの化学合成において反応の制御が難しい場面もあるので、将来的に生合成技術が役立つ可能性は十分にありえるでしょう。

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LUNA
tokyo mooon編集長。日本臨床カンナビノイド学会会員。青山や代官山によく足を運びます。
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