夜中になかなか眠れないのであれば、心を落ち着かせる音楽を聴くのも一つの打つ手ではないでしょうか。 音楽は睡眠を促進するためにも有効です。
例えば、瞑想に音楽を使うことでストレス解消にもなります。夜間の瞑想や睡眠プログラムの一部として音楽を聴くことは、心と体を落ち着かせることができ、ストレスの溜まった1日を癒すための方法として有効なのです。
1. 子守唄
睡眠に誘う音楽の中で最も古いものは子守唄かもしれません。子守唄には色々な効果があることが科学的に証明されています。 まず、子守唄は心を落ち着かせる性質があるため、ポジティブな感情を刺激し、より安心して眠れる環境を作ります。
子守唄が効果を発揮する理由は「愛ホルモン」、「抱擁ホルモン」と呼ばれるオキシトシンの分泌を促進するためです。
また、就寝時間が来たことを知らせるルーティンとしても役立ちます。
2. サウンドスケープ
サウンドスケープとは、サウンドとランドスケープを組み合わせた言葉で、音の風景という意味です。
一般的な音楽とは異なり、サウンドスケープは音楽が共通して持つ構成要素のリズムやメロディを持たない場合があります。
心地よいサウンドスケープは、睡眠前の瞑想の際に使用することもできます。 0〜4ヘルツの間の周波数を持つ高振幅の脳波(より速く眠りに落ちるδ波)を増幅してくれます。δ波は、徐波睡眠、記憶や身体の回復に不可欠な深い眠りに関与しています。
サウンドスケープは、さまざまなタイプの環境音と電子音で構成されます。葉ずれの音や小川のせせらぎなど、自然音と電子音の重なりで発生した様々な周波数の音が聞こえるでしょう。
サウンドスケープの力により、鳥の声に耳を傾けたり、海辺に座ったり、森の中を散歩したりと、頭の中で想像を掻き立てることができます。
3. クラシック、ジャズ、民謡、アンビエント
音楽はストレスホルモンを減らし、幸福感を高め、気分を向上させることができます。これは、ストレスや不安の軽減、睡眠パターンの改善、全体的な健康と幸福度の向上など、健康にいくつかの長期的なメリットがあります。
また、音楽は心拍数を低下させ、呼吸をゆっくりにし、血圧を低下させ、筋肉をリラックスさせることができます。睡眠補助剤としての音楽は、医薬品の睡眠補助剤よりも安全で、副作用もありません。
睡眠にとって理想的な音楽は、自分にとって馴染みのある、楽しめる音楽を選ぶとよいでしょう。 拍子の遅い音楽が理想的です。クラシック、ジャズ、民謡などが適しています。睡眠前にワークアウト用の音楽を聴くのは避けたほうがよいでしょう。
アンビエント音楽も睡眠を改善できる音楽の1つです。 アンビエント音楽は、ムードや雰囲気を作り出すことに重点を置いた音楽の一種です。 サウンドスケープと同様に、構造化された音楽ではないアンビエントは、異なる音を重ね合わせており、受動的に聞けるので、安眠促進に理想的な音楽です。
アンビエント音楽で有名なブライアン・イーノの曲
4. 音楽と睡眠の質
科学者たちは、音楽を聴くと脳内の神経伝達物質ドーパミンの放出が促進されると考えています。 ドーパミンは、報酬、幸福感、興奮の感情と関連しています。 新しい音楽を聴くとドーパミンが最も多く分泌され、慣れ親しんだ音楽を聴くと低レベルのドーパミンが分泌されます。
集中治療室で行われたある研究では、リラックスできるBGMを耳栓やアイマスクと一緒に使用することで、睡眠の質の改善やコルチゾールレベルの低下への関連が明らかになりました。
ハンガリーの94人の大学生を対象に行われた別の研究では、リラックスできるクラシック音楽が、睡眠問題を軽減する安価で安全な方法として、有効であることを明らかにしました。
音楽は、質の良い睡眠の実現に役立てていきましょう。