睡眠の問題を解決するためのハーブ療法の中でも特に人気があるのが、バレリアンルートです。この成分は多くのサプリメントに含まれますが、単独で摂取することもできます。このハーブを睡眠に取り入れることで得られるメリットをご紹介します。
1. バレリアンルートと睡眠
バレリアンの花は繊細な香りがしますが、根はより強い香りがします。根を構成する多くの化合物やオイルがこの匂いを作り出しています。辛味のある臭いがあり、それは神経系に鎮静作用を与える化合物です。お茶、液体、またはカプセルの形で摂ることができます。
適切な用量は250~1000mgの範囲です。寝る前の30分~2時間の間に取ると効果的です。
バレリアンルートのエッセンシャルオイルはアロマセラピーにも使用されます。アロマバーナーに数滴垂らして寝室に置いておきます。口に入れてはいけません。
2. メラトニンとの比較
これらは一般的な睡眠補助剤の2つですが、両者には大きな違いがあります。メラトニンはホルモン系の睡眠補助剤であるのに対し、バレリアンルートはハーブ系の睡眠補助剤です。メラトニンはバレリアンよりも直接的な作用が強いので、強い作用を発揮します。
睡眠に悩んでいてメラトニンを服用している人の多くは、次の日に憂鬱な気分になるそうです。バレリアンルートを摂取していれば、よりマイルドなので二日酔いのような症状はありません。メラトニンに比べて副作用が少ないです。
この2つのサプリを同時に摂取することはできません。どちらも鎮静剤ですが、過剰に摂取すると副作用を伴うことになるかもしれません。
3. バレリアンルートの作用原理
バレリアンルートは、睡眠障害や他のメンタルヘルスの問題に悩んでいる多くの人にとって、理想的な解決策で、不安を軽減するのに役立つことが示されています。含有成分であるイソ吉草酸、抗酸化物質、バレレン酸が、神経伝達物質であるγ-アミノ酪酸に作用し、バレリアンの化合物が体内のGABAを増加させます。中枢神経を落ち着かせて、眠気を促進してくれるのです。
また、含まれるリナリンやヘスペリジンなどの抗酸化物質の中には、睡眠を改善する作用を持つものもあります。バレリアンルートには扁桃体(恐怖や逃避行反応を司る脳の一部)に作用する化合物が多く含まれており、これらによって、リラックスした気分になり、より質の高い睡眠を得ることができます。
バレリアンルートは医薬品ではなく、単一の化合物に分離されていません。漢方薬のように、単一の化学合成物の研究と同じように研究されていないので、研究結果には大きなばらつきがあることが多いです。摂取すると、以下のような効果があります。
- 眠りにつくのが早くなる。
- 睡眠の質の向上。
- 不安な症状の緩和。
- 翌日の睡眠補助剤の「二日酔い」の心配がない(メラトニンや抗ヒスタミン剤などのOTC睡眠補助剤で経験)
これらは、人々が日常にバレリアンルートを取り入れている多くの理由です。研究の信憑性はまだ弱いですが、睡眠と不安に対するバレリアンの効果の証拠を示しています。アメリカの食品医薬品局(FDA)によると、バレリアンルートは安全であると認識されていますが、以下のような副作用を引き起こす可能性があります。
- 胃の不調
- めまい
- 頭痛
- 落ち着きのなさ
妊娠中や授乳中は摂取しない方が良いでしょう。バレリアンルートの効果は3歳未満の子供にテストされていません。また、薬物相互作用があるので、睡眠薬、アルコール、抗うつ剤と組み合わせるべきではありません。取り始める前に、医師のアドバイスを求める必要があります。
4. おすすめする理由
バレリアンルートは信頼性の高い天然の睡眠補助剤として定評があります。
バレリアンルートの特性は、脳内の神経伝達物質であるGABAとの相互作用が有効であることが確認されています。不安や落ち着きの原因となる興奮を抑制し、より安らかな眠りへと身体を誘導します。植物性成分として、次の日の睡眠薬の二日酔いなしでGABAの睡眠誘発効果を最大限に引き出す自然なアプローチです。
マグネシウムやホスファチジルセリンのような他の成分を補完し、筋肉をさらにリラックスさせ、コルチゾール(ストレスホルモン)の増加を防ぐために、真夜中に深い眠りを与えてくれます。一度試してみることをおすすめします。